10秒でわかる本書の内容 (超要約)
新型コロナウィルスの致死率は、季節性インフルエンザの100倍。慎重に対策する必要がある。
今までの生活に戻るためには、ワクチンによって集団免疫を獲得する必要がある。
今までのワクチンはウィルスを使ったもので、それなりに安全性が高い事が実証されているが、今回の新型コロナワクチンは「核酸ワクチン」と呼ばれる最新のテクノロジーで作られたもの。
ヒトで試すのは初めての試みとなるため、副反応が未知数。
様々な情報が氾濫しているが、その中でも「内閣府」「内閣官房」「厚労省」「分科会」などが発信している公的な情報を重視すること。イチ個人の専門家が発信している情報より信用度が高い。
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1分でわかる本書の内容 (要約)
- 新型コロナウィルスのワクチン接種は20201年2月下旬~3月上旬に医療従事者を対象に始まる。一般の方は5月あたりからと言われている。
- 新型コロナのワクチンは、発症や重症化を防ぐ効果が確認されており、英米などで緊急摂取が行われている。
- 「COVID-19(コビッド・ナインティーン)」は、「COronaVIrus Disease」が2019年に発生したということで名づけられた。
- 「COVID-19」は、病気の名前であって、ウィルスの名前ではない。ウィルス名は「SARS-CoV-2(SARSコロナウィルス2)」。
- そもそもウィルスというのは、細胞を持たず、生物と言えるかどうかギリギリのラインの生き物。
- 通常、生物というのは細胞でエネルギーを作ったり、コピーして増殖するが、ウィルスにはそれが無い(遺伝子とその入れ物だけの存在)。
- ウィルスは単独で増える事ができず、生物の細胞に侵入し、増殖機能を乗っ取って増殖する。
- いわゆる風邪の症状を起こすウィルスには「ライノウィルス」「ヒトメタニューモウィルス」など複数あり「コロナウィルス」が原因と思われるものは10~35%。
- コロナウィルスはこれまで6つの種類が確認できており、そのうち4つが風邪の症状を引き起こす。残り2つのは「SARS」と「MERS」。
- 新型コロナは「SARSコロナウィルス2」という名称なだけあって、「SARS」によく似ている。
- 「SARS」は2002年に中国から流行し、2003年に世界中で大流行したが8か月で終息した。このとき日本には入ってこなかった。
- 「SARS」の致死率は10%ほど。「新型コロナ」の致死率は2%ほど。
- 「MERS」はヒトコブラクダ由来のコロナウィルス感染症で2012年に発見され、韓国で一時流行した。今でも中東に存在し、致死率は35%ほど。
- 「新型コロナ」は「MERS」にも似ている部分もあるが、「SARS」の方がよく似ている。
- 感染のしやすさを表す数値には「基本再生産数」と「実行再生産数」がある。
- 「基本再生産数」は、何も対策をしなかった場合、1人の感染者が何人にうつしてしまうのかという数字。「実行再生産数」は対策した場合の数字。
- 「季節性インフルエンザ」の「基本再生産数」は1~3前後。「新型コロナ」は2前後と、それほど変わらない。
- 「新型コロナ」は「季節性インフルエンザ」に比べて100倍の致死率。
- 致死率には「CFR(致命割合)」と「IFR(感染致命割合)」がある。「CFR」は新型コロナだと確定した患者の中での死亡比率。IFRは、おそらく新型コロナだろうと推測される患者も含めた死亡比率。
- 確定診断が出せる国の多くは先進国なため、世界中のデータを検証するために「IFR」がある。
- 新型コロナの「CFR」は2%程度。「IFR」は0.657%と言われている。季節性インフルエンザのIFRは0.1%未満。
- 日本の季節性インフルエンザの「CFR」は0.02~0.03%。新型コロナは2%。100倍の差がある。
- 新型コロナは「無症状者」がいるため、隔離が難しい。
- 今最も注意すべきは「インフォデミック」。誤った情報が氾濫しているため、惑わされない事が大事。
- ワクチンの開発は「アウトブレイクパラダイム」という超速スキームで行われているため、5~6年かけて行う安全実験を1年ほどへ短縮している。
- ワクチンには「生ワクチン」と「不活化ワクチン」「組換ワクチン」というものがあるが、新型コロナは「DNAワクチン」や「mRNAワクチン」というものが開発されている。
- 「生ワクチン」は弱ったウィルスを体内へ入れて抗体を作るもの。軽度の感染をするため、症状が出る事がある。
- 「不活化ワクチン」は、ウィルスをホルマリンなどで死滅させ、成分だけを精製して体内へ入れ抗体を作るもの。副反応は無いが抗体の反応が弱く効果が長く続かない。
- 「不活化ワクチン」に「アジュバント(Adjuvant)」という免疫系を刺激する成分を加えることで、副反応が無く強い抗体を作ることができるようになり世界の主流となっている。
- 不活化ワクチンの作り方は、鳥の卵でウィルスを増殖させ、ウィルスの粒子を取り出しホルマリンなどで殺して精製している。1度に作れる数に限界がある。
- 「組換ワクチン」は、バイオテクノロジーの進化で、ウィルスの成分の1つだけを人工的に作って体内へ入れて抗体をつくるもの。これも「アジュバント(Adjuvant)」を使って抗体の反応を高めたりする必要がある。
- 「DNAワクチン」や「mRNAワクチン」は「核酸ワクチン」と呼ばれ、ウィルスを体内へ入れて増殖させるのではなく、設計図だけを体内で増殖させる。
- 「核酸ワクチン」は、今までヒト用の医療品として承認されたことが無かった。新型コロナによりヒトでは初の承認になる。
- 「核酸ワクチン」は安価で大量に生産できるメリットがあるが、ヒトへの安全性や効果が未知数。社会的な人体実験のようなもの。
- すでに「核酸ワクチン」による副反応が出ている症例も多くあるが、緊急事態という事で基準が甘くなっている。最悪「ADE」という状態が起きる。これはウィルスに抗体がくっつき症状が促進されてしまうというもの。
- ウィルスを使ったワクチン(ウィルスベクター)も同時に開発が進んでおり、2021年の夏から秋以降に販売される予想。
- 抗体がどれくらいの期間もつのかというメカニズムはまだ解明されていない。
- 新型コロナウィルスの抗体は3カ月で弱まるというデータがあるが、ワクチンによるデータはまだこれから。
- 世間には玉石混合の情報が溢れかえっているが、政府が発信する情報を重視すること。政府が発信する情報が間違ていることもあるが、一個人の専門家などが発信する情報より、複数の専門家の意見でまとめられている情報の方が信用度が高い。
著者について
峰 宗太郎
1981年、京都府生まれ、京都大学薬学部、名古屋大学医学部医学科卒業、東京大学大学院医学系研究科修了。国立国際医療研究センター病院、国立感染症研究所等を経て、2018年より米国立研究機関博士研究員。国内外で得たスタンダードな医療知見のもと、SNSやブログで正しい医療情報を発信している。医師(病理専門医)、薬剤師、医学博士。病理学、血液悪性腫瘍・感染症の病理診断、ウイルス学、免疫学。予防医療普及協会顧問。山中 浩之
1964年、新潟県生まれ。87年日経BP入社。以来、日経ビジネス、日本経済新聞社証券部、日経クリック、日経パソコンなどを経て、現在日経ビジネス編集部でウェブと書籍の編集に携わる
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